漢字に読みがなをふっている箇所も多いので、お子様ひとりでも読みやすい構成です。
国語力を養う教科書のような感じの書籍です。
質の高い日本語文、そして心に語りかける内容は、本格的な文学に親しむ第一歩にも。
~目次~
『杜子春』(芥川龍之介)
唐の都洛陽の西の門の下に、ぼんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました。
若者は名を杜子春といって、元は金持の息子でしたが、今は財産を費い尽して、その日の暮しにも困る位、憐れな身分になっているのです。・・・
『一房の葡萄』(有島武郎)
僕は小さい時に絵を描くことが好きでした。
僕の通っていた学校は横浜の山の手という所にありましたが、そこいらは西洋人ばかり住んでいる町で、僕の学校も教師は西洋人ばかりでした。・・・
『赤い蝋燭』(新美南吉)
山から里の方へ遊びに行った猿が一本の赤い蝋燭を拾いました。
猿は赤い蝋燭を花火だと思い込んでしまいました。・・・